Scratchはツールの1つに過ぎない

プログラミング教育を実践している小学校はどんなことをしているんでしょうか。
私は、大きく分けていうと3つあると見ています。

1.アンプラグド

パソコンやタブレットなどを使わない学習方法です。

2.ビジュアルプログラミング

ScratchやScratchJrなどブロックでプログラミングするソフトを使う学習方法です。

3.ロボット・ドローンプログラミング
レゴのEV3やScratchをベースにしたソフトを使ったロボット制御を通してプログラミングを学ぶ学習方法です。


1の場合は、プログラミング的思考を紙ベースで学ぶことができます。先生の負担も少なく、すぐ導入できるメリットがあります。例えば、付箋を使って、物事の順序の並び替えでプログラミングの「順次」を学べることができます。またチャート(四角や三角などの図)を使って、物事の進みを可視化し、プログラミングの「条件分岐」や「繰り返し」を学ぶことができます。このようにプログラミング的思考を単元の内容に取り入れ、自然にプログラミング教育を実践することができます。


2の場合は、学校にあるタブレットやパソコンを使って、画面上でプログラムの仕組みを学ぶことができます。使用するソフトの知識は少し必要ですが、単元の内容をシンプルなゲームやアニメーションにして、いままでない教え方ができるようになります。例えば、○×クイズでも、紙でやるより、キャラクターが「正解」と言ってくれたほうが授業が盛り上がります。確かにソフトの使い方やプログラミングの仕組みなどを少し勉強しないといけないですが、最低限の基本操作さえ押さえれば、あとは少しずつ授業の内容に取り入れられないかを先生同士で話し合って、実践することです。最初は少し時間がかかりますが、慣れると、こんなことも簡単にできるんだとわかるようになります。


3の場合は、ロボットやドローンなどを使いますので、コストの面はデメリットになります。ロボットを貸してくれる企業もありますので、相談して導入すればいいです。この場合、企業側からのサポートもついてくるので、割りと安心して導入できます。しかし、ロボットやドローンなどを使うとどうしても準備の手間がかかります。また物理的な故障もよくありますので、45分の授業時間内でうまくできるかどうかは、ある程度「運」も必要です。だから、現状では、ロボットやドローンを使う授業は単発的な体験授業が多いです。もちろん学校側に予算があればロボットを少しずつ買い足していけば、部活や授業で自由に使うことができますので、生徒も先生も新しいチャレンジができると思います。


上の3つを上手く使えば、楽しいプログラミング(的思考)学習授業ができると思います。結論からいうと、小学校ではやはりアンプラグドとScratchの組み合わせが一番現実的かと思っています。そして時々ロボット。


ちなみに、Scratchの教育サイトがありますので、時間があればぜひ見てください。授業用のヒントもたくさんあります。

https://scratch.mit.edu/educators/

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