ロジックの説明を読まない生徒とプログラミング

いつも、娘の教科書をみて思うことがあります。

教科書がきれい。

それは紙の質がいいとか、印刷がきれいとか、カラーなのできれいとかのことではありません。勉強しているのに何の書き込みもなく、きれいなままです。自分は小学校のとき、先生が授業で強調している部分に線を引いたり、横にメモをしたりするのが普通でした。特に国語の教科書に、一段落ごとにまとめを書いて、更に横にそこから見えてきた作者の思いを自分で書き込んでいました。復習するときは線を引いた部分や自分で書き込んだメモをみて復習しました。1学期が終わると、教科書の中はたくさんの書き込みがありました。そういうような学び方は古いかもしれませんが、確かに自分にとっては効果はありました。

しかし、娘の教科書を見る限り、学校でどのように勉強しているかはわかりません。社会や理科など、重要なポイント(暗記ポイント)がたくさんあるはずです。それらのポイントを自分で線も引かずちゃんと覚えているんでしょうか。ノートでまとめもしない学習は本当に大丈夫でしょうか。

もちろん勉強方法はいろいろありますので、自分の方法が絶対正しいということはありません。しかし、娘のきれいな教科書をみたらどうしても不思議に思ってしまいます。

私のプログラミング教室には小学生の割合が高いです。生徒が使用するプログラミング教材はすべて私が作ったものです。はじめてプログラミングを学ぶ生徒に、説明しないといけないことがたくさんあります。一人ひとりに説明すると他の生徒への指導ができなくなるので、説明の部分をできるだけ文字と図で詳しく資料にまとめました。説明を読みながら操作してもらえると思いました。しかし、説明を飛ばして(もしくは適当に目を通して)図だけ見てそのままプログラムを入力する生徒がよくいます。全員ではないですが特に4年生、5年生の生徒が多いです。やはり読む習慣がまだついていないなと感じています。プログラミング学習は、プログラムが動けばいいという目的ではありません。なぜ動くかを理解して、活用できるようになるのが目標です。そのために、教材にかかれているロジックの説明をよく読んで理解してもらいたいです。

文字の説明を読まない生徒をどうすればいいかを悩みました。そして、説明を読まない生徒にちょっと違う指導方法でやればいいと気づきました。生徒の学び方に合わせてみようと思いました。プログラミングは暗記で習得するものではありません。実践が必要です。たくさんの失敗から学ぶのが最も記憶に定着するかもしれません。現在、私はいくつかの指導方法を併用しています。ちゃんと読んでくれる生徒には、重要ポイントのみもう一度説明して理解を深めてもらいます。文字説明をあまり読んでいない生徒には、質問をしてどこまで理解したかを把握し、わかっていない部分を紙でもう一度説明することにしています。また手作りのプログラミング教材をシンプル化にして、実践重視(失敗重視)の授業に変えました。

個別指導の塾での教え方は、一斉授業の学校では通用しないかもしれませんが、私の試行錯誤が少しでも参考になることができれば幸いです。

一般社団法人 センセイワーク

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